テクノフロン® PFR FFKM

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テクノフロン® PFR FFKM パーフルオロエラストマーは、他のいかなるエラストマーと比べても最も高い性能を誇ります。テクノフロン® PFR は大多数の化学薬品に対して耐薬品性を示します。300℃を超える耐熱性を有するグレードもあり、厳しい環境下で用いられるシール用途に適した製品です。また、半導体、石油・ガス掘削、および化学の各産業の厳格な要求に対応した特定用途向けグレードもご用意しております。

テクノフロン® FKM および PFR FFKM の技術ライブラリ


テクノフロン® PFR FFKM は、すべてのエラストマーの中で最も広い温度範囲をカバーします。

エラストマーの使用温度

TecnoflonOverview

テクノフロン® PFR FFKM はすべてのエラストマーの中で比類なき耐薬品性を示し、影響を受けるのはフッ素系流体のみです。

耐薬品性
化学薬品HNBRVMQFVMQFKMFEPM
(TFE/P)
テクノフロン® PFR FFKM
無機酸CCCBAA
有機酸BBDCCA
アルカリBBBBAA
アミンAADDAA
スチームCBCCAA
ケトンDCDDDA
エステルDBDDDA
エーテルAAADDA
アルデヒドDBDDDA
アルコールAAABAA
脂肪族炭化水素ADAABA
芳香族炭化水素DDCADA
サワーガスCCCBAA
潤滑剤AAAAAA
フッ素系流体ADCDDC

A: 膨潤率が 10% 未満
B: 膨潤率が 10~30%
C: 膨潤率が 30~50%
D: 膨潤率が 50% より大きい

テクノフロン® PFR FFKM グレード

耐薬品グレード

テクノフロン® PFR 94 および テクノフロン® PFR 06HC

テクノフロン® PFR 94 および テクノフロン® PFR 06HC は、化学産業および石油・ガス産業向けに特別に設計されており、すべてのエラストマーの中でも非常に高い耐薬品性を示します。特に、極性流体(ケトン、エステル、エーテル、アルデヒドなど)や塩基(アルカリ、アミン)と接触する場合は FKM よりも優れた特性を示します。

ケトンに対する耐薬品性

Tecnoflon_ChemResistanceMEK

アミンに対する耐薬品性Tecnoflon_ChemResistanceEED

耐熱グレード

テクノフロン® PFR 95 および テクノフロン® PFR 95HT

ソルベイ独自の架橋技術により、テクノフロン® PFR 95 およびテクノフロン® PFR 95HT は汎用のFFKM よりも優れた耐熱性を持ちます。これにより、高温でもシーリング特性が維持され、高温のスチーム環境下で他の架橋技術よりも優れた特性を示します。

高温時の圧縮永久歪み

Tecnoflon_CompressionSet

耐スチーム性

Tecnoflon_ThermalResistance_Illus

ナノ PTFE 充填グレード

テクノフロン® PFR 5910M および テクノフロン® PFR 5920M

テクノフロン® PFR 5910M およびテクノフロン® PFR 5920M は、半導体産業向けに設計されています。無機充填剤を使用していないので、アグレッシブなプラズマ条件下のチャンバー内で粒子が発生しません。ソルベイ独自の技術により、40 nm 未満の PTFE 粒子をポリマー中に非常に良好に分散させることができます。この結果、無機充填剤を使用したパーフルオロエラストマーと同等の機械特性が得られ、この分野で提供されている他の有機充填製品よりも優れています。

低い粒子発生量

窒素雰囲気下での TGA 後の残留質量がゼロであることは製品全体が有機物であることを示し、プラズマチャンバー内で粒子が発生する機会が大幅に減少します。


窒素雰囲気下でのTGA の比較

Tecnoflon_LowParticleGeneration


有機充填 FFKM の比較 – SEM 画像

ソルベイ独自のナノ PTFE 技術

Tecnoflon_SEM_Nano-PTFE


押出加工による混合技術

Tecnoflon_SEM_Extrusion


ロールミルによる混合技術

Tecnoflon_SEM_OpenMill

ソルベイ独自のナノ PTFE 技術を用いたコンパウンドと旧来の技術を用いたコンパウンドの SEM 画像では、ナノ PTFE 技術を用いた場合 PTFE 粒子の確認が困難なほど均一な分散が得られていることがわかります。これにより、無機充填剤を使用したパーフルオロエラストマーと同等の機械特性が実現できます。

代表的な金属含有物

ソルベイの技術により、半導体市場の商用シーリングソリューションの中でも最も高い純度を得ることができます。


灰分分析

Tecnoflon_MetalContent

テクノフロン® PFR 5910M: ソルベイのナノ PTFE 技術 
FFKM 1: 半透明こはく色の有機充填 FFKM
FFKM 2: 半導体のウェットプロセス用黒色 FFKM 
FKM 1: プラズマドライプロセス用高機能 FKM 


機械特性の比較

ナノスケールでの優れた PTFE の分散により、一般の無機充填剤を使用したコンパウンドと同等な物性(従来の PTFE パウダーの混合よりも優れる)を得ることができます。


ナノ PTFE の引張り強さの比較

Tecnoflon_Nano-PTFE_TensileStrength


ナノ PTFE の圧縮永久歪みの比較

Tecnoflon_Nano-PTFE_CSet

低温グレード

テクノフロン® PFR LT は、石油・ガス掘削産業の最新かつ最も厳格な要求に応える目的で特別に設計されています。

ソルベイ独自の MOVE 技術により、卓越した耐薬品性、および他に類のないほど低温柔軟性(TR10=-30°C)を備えたパーフルオロエラストマーを実現しました。

最低使用温度

Tecnoflon_MinTemperature

使用中に雰囲気ガス圧が急激に減少すると、急速ガス減圧(RGD)が発生し、シールの割れ、内部亀裂やブリスターが起こることがあります。

ソルベイの分岐構造およびシュード-リビング重合技術により、テクノフロン® PFR は急速ガス減圧に耐える優れた特性を有しています。

テクノフロン® PFR FFKM の多くのグレードとともに、業界で一般的な NORSOK Standard M-710 Rev 2 にしたがってテクノフロン® PFR LT の試験を行い、問題なく RGD 試験に合格しました。

Tecnoflon_LT-RDGTest

RGD 試験の条件 
ガス: 90/10 mol% CH4/CO2
製品あたりのO リング数 6
溝充填率[%]: 65 および 80
温度: 100°C
圧力: 150 bar
サイクル数: 10
第1 サイクルの期間: 72 時間
第2~10 サイクルの期間: 23~24 時間
サイクル間の保持期間: 1 時間
減圧速度: 20 bar/min 
サイクル後のサンプリング数: 10

NORSOK M-710, “Qualification of non-metallic sealing materials and manufacturers”, Rev 2, 2001年10月

推奨加工条件

テクノフロン® PFR のすべてのグレードはパーオキサイド加硫製品であり、ソルベイスペシャルティポリマーズ独自の重合技術により、コンパウンドの混合から予備成形、成形、および二次加硫まで非常に優れた加工性を備えています。

  • ロールミルで簡単に配合でき、特殊な薬品は不要
  • 予備成形が非常に単純。スクリュー押出機の使用を推奨
  • 比較的低い温度(150~180°C)で短い一次加硫サイクル
  • 熱風循環式オーブンで比較的短い二次加硫サイクル(最大 24 時間)

テクノフロン® PFR は、配合成分、加工条件、および収縮率の点で、パーオキサイド加硫フルオロエラストマーと同様な挙動を示します。つまり、FKM 用の標準加工機器(ロールミル、プレス機、工具、およびオーブン)は、テクノフロン® PFR シールの製造にも適しています。

コンパウンディング

テクノフロン® PFR パーフルオロエラストマーは、ロールミルでの混合に最適です。まず、ロール間のギャップを十分広げた状態でこのエラストマーをロールミルに通し、順次ギャップを狭くして予備加熱します。ゴムがロールのほぼ全幅に広がり、ロールに付着した後、あらかじめ混合した成分を、ロール全幅に行き渡るように注意しながら徐々に加えます。

成分を混合し予備的な混練を行った後、ギャップを狭くしたロールで成分の完全な混練と均質化することによりコンパウンドが完成します。この段階で、シリンダー長さの 3/4 まで、左から右、右から左と交互に、コンパウンドの対角方向に 6 回切り返します。その後、コンパウンドを取り外します。

テクノフロン® PFR コンパウンドは、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形などの一般的なエラストマー加工方法ですぐに加工できます。また、押し出してホースや異形品に成形し、その後オートクレーブで加硫処理することもできます。

予備成形(押出し)

圧縮成形でテクノフロン® PFR をシールに加工する場合、予備成形(たとえば未加硫のコンパウンドをコード形状に成形する工程)を推奨します。これにより、製造工程が最適化されるだけでなく、シールの性能も向上します。さらに、正確なコンパウンドの予備成形によりバリの発生が減少するので、加工の歩留まりが改善し、効率が向上します。L/D 比が 6~12 の一般的なエラストマー用スクリュー押出機で予備成形を行うことを推奨します。予備成形にはラム押出機も使用できますが、レイアウトが異なるため、押出成形物を一定寸法で滑らかに維持する点で、スクリュー押出機よりも効率が低くなります。

コンパウンドの特性と装置に合わせて押出パラメーターを細かく調整する必要があります。開始点として、シリンダー 50°C、ダイ 70°C を推奨します。加工条件を適切に設定することで、滑らかで一定の断面形状が得られます。コンパウンドを加熱しすぎないように特に注意が必要です。過熱した場合スコーチが発生します。

成形

一般的にコンパウンドの加硫は圧縮成形で行われます。加工条件はコンパウンド、プレス機と工具の設計、および加工品の形状によって異なります。PFR 94 および PFR 06HC ベースのコンパウンドは 160°C で効果的に成形できます。一方、PFR 95、PFR 95HT、PFR 5910M、および PFR 5920M のコンパウンドでは、175°C が最適な加硫温度です。加硫時間は主に、加工品の寸法と形状によって決まります。たとえば、断面積が大きくなるほど加硫時間が長くなります。


二次加硫

加硫を完了し、不純物を除去して充填剤とポリマーの相互作用を強化するために、すべての FFKM に二次加硫段階が必要です。二次加硫パラメーターは、オーブンのタイプに関係します。したがって、最適条件は使用している装置に合わせて調整する必要があります。最適化の開始点として、換気回数が 7~14 回/時のオーブンを使用する場合、次の条件を推奨します。

  • PFR 94 および PFR 06HC: 4 時間 230°C
  • PFR 95 および白色 PFR 95HT: 8 時間で RT から 250°C に上昇し、その後 16 時間 250°C
  • 黒色 PFR 95HT: 8 時間で RT から 290°C に上昇し、その後 16 時間 290°C
  • 透明 PFR 5910M および PFR 5920M: 8 時間 230°C

換気回数が多い場合(50 回/時を超える場合)、より穏やかな条件(低温、短時間)が妥当です。