配管用途向けサルホン系樹脂
20 年以上にわたり、サルホン系樹脂は加圧高温水用途で真鍮の代替品として採用されてきました。
ユーデル® PSU、レーデル® PPSU およびアキュデル® 変性 PPSU
これらの強靱かつ耐熱性に優れたプラスチックは厳しい寸法公差を満たす成形が可能であり、高温条件で持続性荷重を加えた場合のクリープは小さい値です。優れた耐酸化性も併せ持つサルホン系樹脂は、高温塩素水に連続曝露する用途に適した信頼性の高い選択肢です。
特長
- 優れた圧縮強さ
- 低い引張クリープと圧縮クリープ
- 卓越した長期静水圧強さ
- 高温塩素水への連続曝露に対する耐性
低圧縮クリープ性
サルホン系樹脂は圧縮クリープが少ないため、連続荷重を受けてもごくわずかの変形しか生じません。これにより、サルホン系樹脂材料から製造した部品は、高温条件下でも信頼性の高いシーリングを長期間維持します。
95℃での圧縮クリープ変形
高温塩素水に対する卓越した耐性
ここに示すのは、レーデル®、アキュデル®、ユーデル® の各サルホン系樹脂で製造したインサート継手の顕微鏡写真です。いずれも高温塩素水に 1600 時間連続曝露した後の状態です。これは極めて過酷な試験条件であり、PEX 配管システムの工業規格の試験よりもはるかに厳しいものです。
以下の写真が示すように、いずれの継手の側壁にも割れはまったく発生しておらず、レーデル® PPSU 製の継手表面には酸化の痕跡がまったく見られません。アキュデル® 変性 PPSU 製の継手表面にはごくわずかの酸化が見られ、ユーデル® PSU 製の継手表面ではごく限定された部分に酸化が認められます。
長期静水圧強さ(LTHS)の決定
加圧システムの設計で重要な点は、水の存在下で継続的に一定応力を受ける条件における材料性能を理解することです。さまざまな温度で作成したクリープ - 破断曲線のデータを外挿することにより、特定の条件セットでの材料の LTHS を予測することができます。こうして得られた値を使用して設計応力を決定しますが、このときに適切な安全マージンを含める必要があります。
長期静水圧強さ
50 年後予測、予想下限値(LPL)
ISO 9080 方法 4 |
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レーデル® R-5100 |
アキュデル® 22000 |
ユーデル® P-1700 |
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温度 [℃]
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時間 [時間]
| 平均 [MPa] | LPL [MPa] | 平均 [MPa] | LPL [MPa] | 平均 [MPa] | LPL [MPa] |
20 | 438,000 | 41.5 | 36.6 | 39.4 | 33.4 | 13.4 | – |
70 | 438,000 | 25.4 | 21.3 | 18.9 | 15.2 | 5.7 | – |
LPL は、50 年間、試験試料全体の 97.5% が劣化を起こさない応力レベルです。