試作部品を切削加工するための ライトン® PPS 素材はどこで入手できますか?

ライトン® PPS 射出成形コンパウンドで成形される大型の素材は、まだ用意がありません。これは、射出成形コンパウンドが厚肉形状の製造に適していないからです。特殊圧縮成形や押出加工を行う加工会社は、圧縮成形した PPS の棒材、板材、および管材も供給できますが、圧縮成形した素材を切削加工した部品では、ライトン® PPS 射出成形コンパウンドを射出成形した部品と同じ性能を実現できない場合があります。詳細については。

「PPS」とはとのような意味ですか?

PPS とは、ポリフェニレンスルフィド(Polyphenylene Sulfide)の略です。

「直鎖 PPS」は優れた射出成形コンパウンドですか?

ソルベイでは、製品の目的とする特性に応じて、多様な ライトン® PPS 製品で架橋しない直鎖 PPS と架橋型 PPS を使用しています。多くの成形品について、射出成形コンパウンドに架橋型の PPS ポリマーの使用を推奨しています。これは、PPS コンパウンドに一般的に要求される利点の多くが得られるからです。PPS の架橋とは、PPS ポリマーを空気中で加熱し、熱酸化での鎖の延長と架橋の反応により分子量を増加するプロセスです。架橋しない直鎖 PPS の延性は、類似の分子量を持つ架橋型の PPS よりも高いですが、架橋型 PPSはより優れた寸法安定性と耐クリープ性を示します。さらに、架橋しない直鎖 PPS ポリマーは空気中での加熱で架橋が進行するので、架橋型の PPS は熱エージングにより明らかに変化が小さくなる傾向があります。架橋型 PPS を使用して製造されたコンパウンドは、架橋しない直鎖 PPS のみをベースにしているコンパウンドと同等な機械特性を示します。

分岐 PPS とは何ですか?

重合化プロセスで分岐主鎖構造を持つように製造された PPS ポリマーを分岐 PPS と呼んでいます。他の PPS 製造会社の中には、重合化後にキュア処理を行った PPS を分岐 PPS と呼んでいるところもあります。結果として得られる 二つの構造は別のものであり、異なる性能特性を付与します。当社は両方の手法を実践し、要求される性能要件を満たすようにどちらかの PPS ポリマーのタイプを活用しています。

直鎖 PPS と分岐 PPS のどちらが優れていますか?

PPS ポリマーの分子量と分子構造が加工特性と成形品の特性の両方に影響するので、一方が他方より「一般的に優れている」とは言えません。特定の用途には一方のポリマータイプが他方よりも適していると判定するには、具体的な成形品形状、加工手法、および成形品の要件が定義されている必要があります。

製品は何色ですか?

ソルベイ製品のほとんどは、ナチュラルカラーまたは黒色で提供されますが、一部の製品は黒色のみです。40% ガラス繊維強化グレードのナチュラルカラーはダークブラウンからオフホワイトまでですが、ガラス繊維およびミネラル強化グレードのナチュラルカラーは一般に、褐色からオフホワイトまでです。

ナチュラルカラーの ライトン® PPS コンパウンドでは、どの程度の色の変動が予測されますか?

ライトン® PPS コンパウンドの色は、使用する PPS ベース樹脂、充填材および強化材の種類と量、材料の加工時の熱履歴など、複数の要因によって異なります。40% ガラス繊維強化グレードの一部の製品は暗褐色、そのグレードの他の製品は明褐色から褐色、また他のグレードはオフホワイトになります。これらの色は、コンパウンドの加工方法によってある程度異なることがあります。一般的に、熱履歴が多いほど成形品の色が暗くなりますが、非晶性(冷間成形)の成形品をアニーリングすると、色が明るくなります。ナチュラルカラーのコンパウンドに色の仕様はありませんが、十分な一貫性を有する色であり、前述の要因によるわずかなばらつきがあるのみです。色のばらつきは、機械特性の低下を示すものではありません。

ライトン® PPS を別の色に着色できますか?

暗褐色の 40% ガラス繊維強化グレードは、黒以外の色に着色できません。一部の明るい色のグレードは、射出成形機で市販のカラーマスターバッチと混合してさまざまな色に着色できます。ただし、高温、UV 光、または屋外環境に曝露した場合、成形品の色が安定しないという事実を理解することが重要です。したがって、ライトン® PPS コンパウンドの着色は、成形品を識別するいくつかの状況では有用ですが、装飾の目的では推奨しません。ライトン® R-7-120NA PPS および ライトン® R-7-190NA PPS は、PPS ベースのカラーマスターバッチと共に使用した場合に関して UL に「全色」の記載がありますが、他の ライトン® PPS コンパウンドでは顔料を添加すると UL 認証が無効になることがあります。一般的に、色の安定性と一貫性が必要とされる場合、黒色の ライトン® PPS コンパウンドを使用する必要があります。

ライトン® PPS と特定の化学薬品との適合性が分かりますか?

多様な化学薬品と ライトン® PPS との適合性に関する情報は、弊社の を参照してください。必要な情報が見つからない場合は、ソルベイにお問い合わせください。ソルベイの化学技術者は、PPS およびコンパウンドの化学特性に関する知識に基づいて、特定の化学環境での ライトン® PPS の適合性について助言することができます。ただし、実際の使用条件にできるだけ近い条件で試験を行うことが、特定用途での化学適合性を判定する最良の方法です。

結晶性の成形品と非晶性の成形品では、いずれの特性が優れていますか?

PPS を通常選択する分野で、結晶状態の ライトン® PPS が優れた性能を示します。非晶性 PPS 成形品が、ある程度優れた機械強度を持つことがありますが、結晶性 PPS 成形品は、ぞれよりも高い弾性率(剛性)、優れた耐クリープ性、および高温での優れた寸法安定性を示します。さらに、非晶性 PPS 成形品は、約 88℃以上の温度に曝露すると変形することがあります。

ライトン® PPS 成形品が結晶性か非晶性かを判断する方法はありますか?

はい。PPS ポリマーが結晶状態か非晶状態かは、示差走査熱量測定(DSC)で判定できます。

ライトン® PPS はハロゲン化難燃剤を含有していますか?

いいえ。ポリフェニレンスルフィドは自己難燃性が高いので、ライトン® PPS コンパウンドは、難燃剤を添加せずに UL94 V-0 および V-0/5VA の難燃性を達成できます。

ライトン® PPS の「FDA 認可」グレードはありますか?

ライトン® PPS 射出成形コンパウンドの R-4-222NA および R-4-232NA は、すべての種類の食品と接触して繰り返し使用する品目の構成要素の用途で、米国 FDA および欧州連合(EU 10/2011 および 1183/2012)の法規制に適合しています。さらに、米国 FDA の食品接触物質の上市前届出(FCN)1083 に則り、すべての ライトン® PPS 製造ポリマーは、使用条件 A~H、および J でのすべての種類の食品と接触する、繰り返し使用の食品接触用途品目の製造で構成要素として使用でき、EU 10/2011 および 1183/2012 の要件にも適合しています。

ポリフェニレンスルフィド樹脂は、21 CFR 177.2490 に基づいて、繰り返し食品と接触する用途の品目のコーティングまたはコーティングの成分としての使用が、特定の制限付きで具体的に許可されています。いくつかの ライトン® PPS 射出成形コンパウンドも、飲料水と接触する用途で各種の規格の要件に適合することが認定されています。最終用途での ライトン® PPS の安全性と適合性を確認することは、最終品目の製造会社の責任です。

PTFE のようなフッ素系樹脂潤滑剤を含有する ライトン® PPS 製品がありますか?

ライトン® BR42B PPS は、表面潤滑性の向上の目的で、PTFE (ポリテトラフルオロエチレン)配合の PPS を含有しています。

ライトン® PPS は紫外(UV)光に曝露する用途に適していますか?

ライトン® PPS を UV 光に曝露すると、表面にある程度の劣化が発生することがありますが、バルク材料の特性は曝露の影響を比較的受けません。いくつかの ライトン® PPS コンパウンドは、UL746C に従った UV 光への曝露、水への曝露、および水への浸漬に関して、屋外使用に適すると評価されています。

ライトン® PPS は、米軍用規格の耐菌性の要件(MIL-STD-45-4)に適合していますか?

はい。2 種類の ライトン® PPS 製品、R-4 および R-4-02XT が、独立研究機関(Truesdail Laboratories, Inc.)により MIL-STD-810D の試験方法 508.3 に従って評価され、菌を成長させないことが分かっています。この調査は、試験方法に規定された 28 日間、5 種類の菌を使用して実施されました。7 日ごとに観察を行いました。ライトン® PPS の試験片では菌の成長が観察されませんでした。

さまざまな ライトン® PPS コンパウンドと他の製造会社の PPS コンパウンドの対応を示す表がありますか?

ソルベイの製品と他社製品との対応を示す文献はありません。他社製品を ライトン® PPS コンパウンドに置き換えることを検討していて、どの ライトン® PPS コンパウンドを使用すればよいか分からない場合は、ソルベイにお問い合わせください。

135℃の金型温度を使用する必要が本当にありますか? 温水を使用して 93~121℃の温度に到達できます。この金型温度で十分ですか?

一般的に、長期的な熱安定性、寸法安定性、および一貫した成形品の性能を最大に引き出すために、金型温度 135~149℃を使用してほぼ最大の結晶化度を達成することを推奨しています。この問題の詳細については、「ライトン® PPS 成形加工ガイド」を参照してください。

使用している射出成形施設には、水やオイルの循環、電気カートリッジという複数の金型加熱方法があります。特に ライトン® PPS の成形で、推奨の金型加熱方法はありますか?

はい。ライトン® PPS 熱可塑性樹脂コンパウンドの成形では、金型の加熱と冷却に高温オイルを使用する必要があります。一般的に ライトン® PPS は、表面温度が 135~149℃の金型で成形することを推奨しています。これは水の沸点よりもかなり高い温度なので、水を使用する加熱や冷却で金型を 135℃にすると、ライン圧が非常に高くなり、安全上の問題が発生することがあります。一方、オイル加熱/冷却システムのライン圧の代表値は、約 2.1 bar です。電気式のカートリッジヒーターは、オイルシステムのような温度制御機能を備えていません。オイルシステムは金型の加熱と冷却の両方が可能なので、金型温度がより安定し、ショット間の一貫性が向上します。

推奨期間を超えて乾燥器に入れていた ライトン® PPS はまだ使用できますか?

ライトン® R-4 PPS を 149℃で乾燥する試験を行い、初期メルトフロー 28.7 g/10 min が最大 96 時間で 26.0 g/10 min から 30.0 g/10 min の範囲で変動することが分かりました。ただし、乾燥温度が高すぎる場合(204℃)、メルトフローは 28.7 g/10 min から 13.9 g/10 min に減少します。このため、乾燥器が 149℃以下に設定されている場合、製品の使用に問題はありません。

ライトン® PPS コンパウンドの推奨水分含有率はどの程度ですか?

推奨の水分レベルはありませんが、ライトン® PPS コンパウンドは十分に乾燥させた方が容易に加工できます。水分を 0.02% 未満にすると十分であり、標準の推奨乾燥方法(149~177℃で 2~3 時間)でこの水分レベルが達成されます。乾燥期間を長くしても問題ありませんが、温度が 204℃を超えるとメルトフローが低下することがあります。この樹脂自体は吸湿性ではありませんが、一部の無機充填材が吸湿性であるので、ミネラル強化コンパウンドでは乾燥が特に重要です。

製造を一時中断しなければならない場合、装置のシリンダーから ライトン® PPS をパージする必要がありますか?

通常の加工温度(315~343℃の溶融温度)では最大 2 時間、ライトン® PPS コンパウンドをシリンダー内に入れておくことができ、悪影響は発生しません。

いくつかの不良成形品から埋め込みインサートを取り出す必要があります。PPS の溶解に使用できる溶剤はありますか?

残念ながら、ライトン® PPS の成形品から埋め込みインサートを取り出すことは現実的ではありません。200℃未満の温度で PPS の既知の溶剤はなく、PPS ポリマーを劣化させる酸は、同様にインサートも破損します。インサートが所要の温度(815℃)に耐える場合、PPS を燃やして取り除くことができます(トーチやマッフル炉などを使用)。可能な場合は、金属インサートを加熱して(約 316℃)周囲の PPS を溶融して取り外しを容易にすることができますが、それでも残留 PPS を取り除く必要があります。溶融 PPS は一般的に、ワイヤーブラシや研磨パッドで取り除くことができます。インサートから PPS を削ったり割ったりして取り除く場合と同様に、一般的にこれらの作業ではインサートの損傷は避けられません。

有限要素応力解析に必要な物性値がありますか?

はい。一般的に使用される製品について、応力 - ひずみ曲線、および高温データをご用意しています。ソルベイのテクニカルサービスサービスに必要なデータをご請求ください。

流動シミュレーションに必要な材料パラメーターはありますか?

はい。一般的に使用される製品について、材料パラメーターを開発してきました。反りの解析に必要な PVT データも含まれます。ソルベイのテクニカルサービスサービスに必要なデータをご請求ください。

ライトン® PPS の接着にはどの種類の接着剤が最適ですか?

PPS は化学的に不活性ですが、表面を適切に処理する前提で、PPS に使用できる接着剤があります。アクリル、シアノアクリレート、および 2 液エポキシタイプの接着剤が一般的に PPS と良好に作用しますが、多くの場合、適切な接着強度を得るために表面処理が必要です。このトピックの詳細については、ライトン® ポリフェニレンスルフィドの接着剤と塗料に関するソルベイの TSM を参照してください。また、接着剤の製造会社に、PPS の接着に効果的な最新の推奨接着剤について問い合わせることを推奨します。

イジェクタ-ピン周囲のベント用推奨ギャップはどの程度の大きさですか?

ライトン® PPS コンパウンドの金型は、ピンの半径方向に 0.0125 mm のギャップ(直径が 0.025 mm 小さい)でベントできます。また、ベントは、1~4 面のイジェクタ-ピンに 0.0175 mm の穴を開けることでも実現できます。

アルミニウム部品に接続するプラスチック製ハウジングを解析しています。ライトン® PPS の熱線膨張係数(CLTE)は、アルミニウムの CLTE に近いという話を聞きました。これは正しいですか?

さまざまな ライトン® PPS コンパウンドの CLTE は異なりますが、一般的に流れ方向ではアルミニウムの CLTE と近い値です。流れの横方向の CLTE はアルミニウムより高くなります。大きい温度差が予測される場合、アセンブリを解析して問題の有無を調べる必要があります。

射出成形品の材料に PPS を検討していましたが、この材料は流動性があまりよくないと聞きました。これは本当ですか?

もちろん、本当ではありません。実際、ライトン® PPS コンパウンドは、高温エンジニアリング熱可塑性プラスチックの高い流動特性をいくつか備えています。ライトン® PPS コンパウンドは、0.50~0.75 mm が一般的な成形品の厚さであるコネクター業界で広範囲に使用されています。