概要

ライトン® PPSの、高温でも卓越した耐薬品性には定評があります。ただし、有機ポリマーであることから、PPS は特定条件で一部の化学薬品の影響を受ける可能性があります。多種多様な化学薬品への ライトン® PPS の曝露に関しては、長年にわたって膨大なデータベース項目を収集してきました。すべての化学薬品について試験することは不可能ですが、類似の構造や特性を持つ化学薬品が ライトン® PPS コンパウンドに及ぼす影響は、やはり類似する傾向にあることが分かりました。これを踏まえて、ライトン® PPSの成形および押出用コンパウンドには、化学薬品のすべてのクラスとの適合性に関する一般的な推奨事項がいくつかあります。

各種の ライトン® PPSコンパウンドの耐薬品性は、一部の例外を除いて非常に類似しています。無機充填材を含むコンパウンドには、酸が大きい影響を及ぼすことがあります。ライトン® PPSコンパウンドのガラス繊維強化グレードは、高温水に関して優れた性能が得られるよう特に配合されています。

性能は、実際に使用する化学薬品、使用条件、およびコンパウンドによって異なります。曝露の温度と期間は、特定用途に必要な耐薬品性の程度を決定するときに検討する必要がある重要な要因です。詳細な情報が必要な場合は、ソルベイの担当者が、特定の化学環境での ライトン® PPS コンパウンドやライトン® PPS アロイコンパウンドの適合性に関して参考意見を提供できます。

化学的適合性

充実した化学薬品のアルファベット順のリスト、およびライトン® PPS コンパウンドとの適合性に関して最良の一般的な推奨事項を示します。

表の凡例
次の表には、化学薬品のアルファベット順のリスト、および ライトン® PPS コンパウンドとの適合性に関して最も適した一般的な推奨事項を示します。化学薬品名の書体は、収集した試験データの量を示します。

  • 太字:大量の長期的な試験データ
  • 正体:限定された短期的な試験データ
  • 灰色:実際の試験データなし。推奨事項は、類似の化学薬品の適合性に基づく

化学的適合性は、4段階の一般的な分類で表します。

  • 適:高温、長期間の曝露に適する
  • 高温では疑問:65℃を超える温度では、これらの化学薬品への長期間の曝露には注意が必要
  • ミネラル強化グレードの使用不可:酸性の化学薬品は、一般的な無機充填材を溶解する可能性がある
  • 曝露不可:特記した制限条件を除いて、これらの化学薬品との使用は推奨しない

 

化学的適合性の表(英語名を基にアルファベット順に記載しています)

化学薬品 使用に関する推奨
アセトアルデヒド
酢酸、10%
氷酢酸、100%
無水酢酸
アセトン
アセトニトリル
アセトフェノン 高温では疑問
塩化アセチル 高温では疑問
アセチレン
酸性抗内水
アクリル酸
塩化アルミニウム
硫酸アルミニウム
2-アミノエタノール 高温では疑問
アンモニア、無水 高温では疑問
塩化アンモニウム
水酸化アンモニウム
硝酸アンモニウム
硫酸アンモニウム
酢酸アミル
アミルアルコール
不凍液
アニリン 高温では疑問
王水 曝露不可
アスファルトエマルジョン
塩化バリウム
水酸化バリウム
硫酸バリウム
ベンズアルデヒド 高温では疑問
ベンゼン 高温では疑問
ベンゼンスルホン酸 高温では疑問
安息香酸 高温では疑問
ベンゾニトリル 高温では疑問
塩化ベンゾイル 高温では疑問
塩化ベンジル 高温では疑問
黒液(パルプ材由来)
ほう砂
ブレーキ液
臭素 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
ブタジエン
ブタン
2-ブタノン(メチルエチルケトン)
酢酸ブチル
n-ブチルアルコール
ブチルエーテル
フタル酸ブチル 高温では疑問
ブチルアミン 高温では疑問
ブチレン
塩化カルシウム
硝酸カルシウム
硫酸カルシウム
二酸化炭素
二硫化炭素
四塩化炭素 高温では疑問
炭酸水
炭酸
セロソルブ
塩素 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
クロロベンゼン 高温では疑問
2-塩化エタン 高温では疑問
クロロホルム 高温では疑問
クロロフェノール、5% 水溶液
クロロスルホン酸 長期的な曝露不可
クロム酸 長期的な曝露不可
漂白剤(5.25% の次亜塩素酸ナトリウム)
塩化銅
硫酸銅
綿実油
m-クレゾール 高温では疑問
リン酸クレジルジフェニル  
原油(芳香族基)
シクロヘキサン
シクロヘキサノール
シクロヘキサノン
洗剤
1,2-ジクロロエタン 高温では疑問
ジクロロメタン 高温では疑問
ディーゼル燃料
ジエタノールアミン、25% 高温では疑問
ジエチルエーテル
ジイソブチレン
フタル酸ジメチル 高温では疑問
ジメチルスルホキサイド
ジメチルアニリン 高温では疑問
N,N-ジメチルホルムアミド
フタル酸ジオクチル 高温では疑問
P-ジオキサン
ジフェニルエーテル 高温では疑問
ダウサム
エンジンオイル
エピクロロヒドリン 高温では疑問
エタン
エタノールアミン 高温では疑問
2-エトキシエタノール
酢酸エチル
エチルアルコール(エタノール)
塩化エチル 高温では疑問
エチルエーテル
エチルメルカプタン
エチレン
塩化エチレン 高温では疑問
エチレンクロロヒドリン 高温では疑問
二塩化エチレン 高温では疑問
エチレングリコール
エチレングリコールモノエチルエーテル
エチレンジアミン 高温では疑問
塩化第二鉄
塩化第一鉄
フルオロケイ酸、25%
ホルムアルデヒド
ギ酸
フロン 高温では疑問
燃料油
フラン
フルフラール
ガソホール(ガソリン/アルコール)
ガソリン
グリコール酸
ヘプタン
ヘキサン
ヘキセン
HFC-134a 高温では疑問
油圧作動流体、航空機
ヒドラジン 高温では疑問
臭化水素酸 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
塩酸 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
フッ化水素酸 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
水素ガス
過酸化水素 5%を超える場合は長期の曝露不可
硫化水素
ヨウ素 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
イソプロピルアルコール
イソプロピルメルカプタン
ジェット燃料
灯油
乳酸
液化石油ガス(LPG)
臭化リチウム
潤滑油
塩化マグネシウム
水酸化マグネシウム
メタン
メトキシプロパノール
アクリル酸メチル
メチルアルコール(メタノール)
メチルエチルケトン
メチルイソブチルケトン
メチルメルカプタン
メタクリル酸メチル
メチルt-ブチルエーテル(MTBE)
塩化メチレン 高温では疑問
N-メチルピロリジノン 高温では疑問
鉱油
モルホリン 高温では疑問
モーターオイル
ナフサ
ナフタリン 高温では疑問
硝酸 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
ニトロベンゼン 高温では疑問
窒素
四酸化窒素 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
ニトロメタン 高温では疑問
オゾン 100 ppmを超える場合は長期の曝露不可
パークロロエチレン 高温では疑問
ペルオキシ酢酸 1%を超える場合は長期の曝露不可
ペルオキシ安息香酸 1%を超える場合は長期の曝露不可
フェノール 高温では疑問
リン酸 ミネラル強化グレードの使用不可
三塩化リン
塩化カリウム
重クロム酸カリウム 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
水酸化カリウム
過マンガン酸カリウム 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
プロパン
プロピルメルカプタン
プロピレン
プロピレンクロロヒドリン 高温では疑問
プロピレングリコールモノメチルエーテル
ピリジン 高温では疑問
ナタネ油
ナタネ油メチルエステル
冷媒 高温では疑問
酢酸ナトリウム
重炭酸ナトリウム
硫酸水素ナトリウム
炭酸ナトリウム
塩化ナトリウム
シアン化ナトリウム
重クロム酸ナトリウム 0.1%を超える場合は長期の曝露不可
ハイドロサルファイトナトリウム
水酸化ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウム 5%を超える場合は長期の曝露不可
硝酸ナトリウム
硫酸ナトリウム
硫化ナトリウム
チオ硫酸ナトリウム
蒸気
ストダート溶剤
スルホラン
二酸化硫黄
硫酸 ミネラル強化グレードの使用不可
テトラヒドロフラン
チオフェノール 高温では疑問
トルエン 高温では疑問
トマトジュース
トランスミッションフルイド
トリクロル酢酸 高温では疑問
1,1,1-トリクロロエタン 高温では疑問
トリクロルエチレン 高温では疑問
トリクロロトリフルオロエタン 高温では疑問
リン酸トリエチル
トリエチルアミン 高温では疑問
トリフェニルホスファイト 高温では疑問
リン酸三ナトリウム
テレピン
植物油
塩水、海水、水道水
キシレン 高温では疑問
塩化亜鉛

 

酸、アルカリ、塩

多くの酸、アルカリ、または中性塩の水溶液が ライトン® PPS コンパウンドに与える影響は、水自体と異なりません。主な例外は、硝酸、塩酸、過酸などの強酸化性酸です(「酸化性化学薬品」を参照)。硫酸やリン酸などの比較的に酸化作用のない酸は、高濃度、高温などの非常に過酷な条件を除いて、PPSに対してほとんど影響を及ぼしません。

高濃度の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液などの強アルカリは、PPSを分解しません。酸およびアルカリは、ポリマー強化界面の加水分解作用を促進する傾向がありますが(「高温水」を参照)、最終的な性能の低下は通常、水自体の場合と比較してあまり悪くなりません。一部の無機充填材は酸により分解するため、一般的に、無機充填材を含むコンパウンドを強酸(pH < 2)と共に使用することは推奨しません。        

塩化亜鉛の 50% 水溶液が ライトン® PPS コンパウンドに及ぼす影響

ライトン® PPSコンパウンドの
曝露条件
引張り
強さ保持率
重量の
変化
垂直方向の
膨潤
R-4-200BL      
200時間、85℃ 101% +0.1% +0.1%
BR111BL      
200時間、85℃ 97% 0.0% 0.0%

 


強酸および強アルカリが ライトン® R-4 PPS に及ぼす影響

化学
曝露条件
引張り
強さ保持率
重量の
変化
垂直方向の
膨潤
37%の塩酸      
24時間、93℃ 61% +1.5%  
3 か月、93℃ 35% -10.2%  
12 か月、93℃ 27% -0.7%  
10%の硝酸      
24時間、93℃ 91% 0.0%  
3 か月、93℃ 0% -  
85%のリン酸      
24時間、93℃ 100% 0.0%  
3 か月、93℃ 99% -0.3%  
12 か月、93℃ 89% -7.2%  
30%の硫酸      
24時間、93℃ 94% +1.3%  
3 か月、93℃ 89% +1.3%  
12 か月、93℃ 61% +3.1%  
50% の硫酸      
1 週間、93℃ 80%   +1.8%
16 週間、93℃ 69%   +0.8%
52 週間、93℃ 73%   +1.6%
80% の硫酸      
1 週間、93℃ 85%   +1.5%
16 週間、93℃ 85%   +0.6%
52 週間、93℃ 46%   +2.1%
30% の水酸化ナトリウム      
24 時間、93℃ 100% +0.1%  
3 か月、93℃ 89% +10.5%  
12 か月、93℃ 63% +13.0%  

 

自動車用流体

広範な試験データにより、ライトン® PPS コンパウンドは、使用する充填剤や添加剤には関係なく、 事実上、すべての一般的な自動車用燃料 (アルコール含有フレックス燃料を含む)、潤滑油、トランスミッションフルイド、ブレーキ液、その他の油圧作動流体の影響を受けません。充填材や添加剤の違いによりエンジンクーラントへの耐性に影響する可能性がありますが、ライトン® PPS コンパウンドは一般的に、高温でもグリコールベースでシリコンを含有するクーラントに対して優れた耐薬品性を示します。

ライトン® R-4-220NAは、高温水の有害な影響への耐性を向上するように特殊配合されているので(「高温水」を参照)、高温のエンジンクーラント、特により活性の高い「OAT」、および「ハイブリッド」タイプの「長寿命」エンジンクーラントに長期間曝露しても、機械強度を高い程度で保持する傾向があります。

各種の自動車用流体が ライトン® PPS コンパウンドに及ぼす影響を示す表を参照してください。

高温水

高温水は、ガラス繊維強化グレードの機械特性に悪影響を及ぼす可能性があります。ライトン® PPS製品は高温水で加水分解せず、ライトン® R-4-220NA PPS、ライトン® R-4-220BL PPS、および ライトン® R-7-220BLは高温水への耐性が向上するように配合されています。詳細については、 「Ryton® PPS Resistance to Hot Chlorinated Water」 の技術資料を参照してください。

高温水が ライトン® PPSコンパウンドに及ぼす影響

ライトン® PPSコンパウンドの
曝露条件
引張り
強さ保持率
重量の
変化
垂直方向の
膨潤
無充填 PPS      
3 か月、93℃ 100% +1.9%  
6 か月、93℃ 94% +1.8%  
12 か月、93℃ 91% +2.0%  
1 週間、149℃ 95%    
4 週間、149℃ 91%    
10 日、177℃ 97%    
R-4      
48 週間、77℃ 76% +0.4%  
48 週間、85℃ 59% +0.5%  
48 週間、93℃ 52% +0.6%  
1 週間、140℃ 51% +0.2% +0.2%
4 週間、140℃ 44% +0.3% +0.0%
16 週間、140℃ 46% +0.4% +0.4%
R-4XT      
1 週間、140℃ 77% +0.2% +0.0%
4 週間、140℃ 64% +0.2% +0.2%
16 週間、140℃ 52% +0.3% 0.2%
R-4-220NA      
1 週間、140℃ 97% +0.1% +0.1%
4 週間、140℃ 86% +0.2% +0.0%
16 週間、140℃ 81% +0.2% +0.2%
BR111      
1 週間、140℃ 74% +0.2% +0.2%
4 週間、140℃ 59% +0.2% +0.2%
16 週間、140℃ 52% 0.3% 0.2%
R-7-220BL      
500 時間、140℃ 80% +0.9%  
1000 時間、140℃ 75% +0.9%  
2000 時間、140℃ 73% +0.9%  

 

有機化合物

酸化作用のない有機化合物は一般的に、ライトン® PPS コンパウンドにほとんど影響を及ぼしませんが、アミン、芳香族コンパウンド、およびハロゲン化コンパウンドには、長期間高温の条件で、ある程度の膨潤と軟化が生じる可能性があります。ライトン® PPSは、他のプラスチックが溶解したり、破壊されたりする条件でも、有機化合物の影響を実質的に受けません。ただし、一部の有機化合物によって、PPSのポリマーマトリックスが改変される可能性があります。芳香族以外の非ハロゲン化アルコール、アルデヒド、アルカン、アルケン、エステル、エーテル、およびケトンはすべて一般的に、高温でもライトン® PPS コンパウンドと共に使用できます。

 

有機化合物が ライトン® R-4 PPSに及ぼす影響

化学
曝露条件
引張り
強さ保持率
重量の
変化
垂直方向の
膨潤
アニリン      
24 時間、93℃ 100% +1.0%  
3 か月、93℃ 86% +5.1%  
12 か月、93℃ 62% +5.7%  
ベンズアルデヒド      
24 時間、93℃ 97% +1.5%  
3 か月、93℃ 47% +5.7%  
12 か月、93℃ 42% +6.5%  
ベンゾニトリル      
24 時間、93℃ 1005% +0.75%  
3 か月、93℃ 795% +4.15%  
12 か月、93℃ 395% +5.55%  
n-ブチルアルコール      
24 時間、93℃ 100% 0.0%  
3 か月、93℃ 92% +0.1%  
12 か月、93℃ 80% 0.0%  
ブチルエーテル      
24 時間、93℃ 100% 0.0%  
3 か月、93℃ 89% +0.7%  
12 か月、93℃ 79% +0.8%  
ブチルアミン      
24 時間、93℃ 96% +0.8%  
3 か月、93℃ 46% +3.5%  
四塩化炭素      
24 時間、93℃ 100% +1.0%  
3 か月、93℃ 48% +6.5%  
12 か月、93℃ 25% +9.9%  
クロロホルム      
24 時間、93℃ 81% +4.0%  
3 か月、93℃ 77% +9.0%  
12 か月、93℃ 43% +3.9%  
リン酸クレジルジフェニル      
24 時間、93℃ 100% +0.1%  
3 か月、93℃ 100% +2.2%  
12 か月、93℃ 95% +0.5%  
原油(芳香族基)      
4 週間、93℃ 101%    
16 週間、93℃ 98%    
52 週間、93℃ 100%    
シクロヘキサノール      
24 時間、93℃ 100 0.0%  
3 か月、93℃ 91 +0.2%  
12 か月、93℃ 86 +0.1%  
1,2-ジクロロエタン      
2 週間、93℃ 108% +4.2% +2.5%
8 週間、93℃ 96% +4.5% +2.8%
24 週間、93℃ 104% +4.3% +2.3%
ディーゼル燃料      
8 週間、93℃ 100%    
28 週間、93℃ 94%    
52 週間、93℃ 99%    
25% のジエタノールアミン      
1 週間、100℃ 100%    
4 週間、100℃ 95%    
P-ジオキサン      
24 時間、93℃ 99% +1.4%  
3 か月、93℃ 96% +5.2%  
12 か月、93℃ 82%    
酢酸エチル      
2 週間、93℃ 114% +0.8% +0.8%
8 週間、93℃ 111% +1.9% +1.3%
24 週間、93℃ 114% 2.0% +1.2%
エチルアルコール      
2 週間、93℃ 100% +0.1% -0.8%
8 週間、93℃ 102% +0.6% +0.7%
24 週間、93℃ 100% +0.9% +0.8%
フロン 113 / 10% オイル      
4 週間、38℃ 101% +0.1%  
12 週間、38℃ 98% 0.0%  
24 週間、38℃ 103% 0.0%  
油圧作動流体、航空機      
24 時間、93℃ 100% +0.03%  
1 週間、60℃ 95% +0.02%  
3 週間、60℃ 99% -0.02%  
メチルエチルケトン      
2 週間、93℃ 115% +1.1% +1.0%
8 週間、93℃ 112% +1.9% +1.7%
24 週間、93℃ 115% +1.9% +1.6%
N-メチルピロリジノン      
24 時間、93℃ 100% +1.5%  
3 か月、93℃ 92% +5.7%  
12 か月、93℃ 80% +5.0%  
ニトロベンゼン      
24 時間、93℃ 100% +1.3%  
3 か月、93℃ 63% +6.6%  
12 か月、93℃ 31% +7.3%  
フェノール      
24 時間、93℃ 100% +0.5%  
3 か月、93℃ 92% +2.3%  
3 か月、93℃ 63% +3.1%  
冷媒 R-22      
4 週間、74℃ 108%    
8 週間、74℃ 107%    
12 週間、74℃ 122%    
トルエン      
24 時間、93℃ 100% +1.1%  
3 か月、93℃ 70% +4.9%  
12 か月、93℃ 41% +4.9%  

 

酸化性化学薬品

低濃度、または短期間の場合を除いて、ライトン® PPS コンパウンドや ライトン® PPS アロイコンパウンドをこうした化学薬品に曝露しないでください。

次のリストには、ポリフェニレンスルフィドを侵し分解することが判明しているか、あるいは予測される、一部の強酸化性剤および酸化性酸を示します。一般的に、これらの化学薬品と共に ライトン® PPSを長期間使用することは推奨しません。ただし、比較的穏やかな条件下でこうした化学薬品の多くが存在する場合には、使用できることもあります。たとえば、ライトン® PPSは、次の一部の化学薬品(過酸化水素、次亜塩素酸塩、塩素など)を低濃度で含有する一般的な消毒剤水溶液と共に使用できます。試験および現場での経験でも、ライトン® PPSが少量の硝酸、および煙霧ガスに存在するその他の酸に耐えることが示されています。

硝酸
クロム酸
クロロスルホン酸
次亜塩素酸ナトリウム
過酸化水素
過マンガン酸カリウム
重クロム酸カリウム
重クロム酸ナトリウム
オゾン
塩酸
臭化水素酸
フッ化水素酸
塩素
臭素
ヨウ素
四酸化窒素
ペルオキシ酢酸
ペルオキシ安息香酸

 

酸化性化学薬品が ライトン® R-4 PPSに及ぼす影響

化学
曝露条件
引張り
強さ保持率
重量の
変化
37%の塩酸    
24 時間、93℃ 61% +1.5%
3 か月、93℃ 35% -10.2%
12 か月、93℃ 27% -0.7%
10%の硝酸    
24 時間、93℃ 91% 0.0%
3 か月、93℃ 0% -
オゾン、1.35 ppm    
4 週間、98℃ 93%  
5.25%の次亜塩素酸ナトリウム    
24 時間、93℃ 94% -1.2%
3 か月、93℃ 77% +0.4%
12 か月、93℃ 61% +0.3%
化学
曝露条件
曲げ
強さ保持率
重量の
変化
1.5%の臭素    
1 か月、82℃ 75%  
2 か月、82℃ 60% -3.1%
3.3%の臭素    
1 か月、23℃ 62%  
3 か月、23℃ 36% -0.8%
0.26%の塩素    
1 か月、82℃ 85%  
3 か月、82℃ 78% -1.5%
0.7%の塩素    
1 か月、23℃ 97%  
3 か月、23℃ 99% +1.4%

 

放射線

ライトン® PPSは、ガンマ線と中性子線の照射曝露の両方に耐えることができます。

ライトン® PPS コンパウンドは、ガンマ線と中性子線の照射に耐えることから、多くの原子力施設の用途に使用されています。下表のデータは、40%ガラス繊維強化PPS(ライトン® R-4 PPS)およびガラス繊維およびミネラル強化 PPS(ライトン® R-10 PPS)のコンパウンドについて、比較的高いガンマ線および中性子線の照射曝露後に、機械特性の有意な低下が見られないことを示しています。他の 40% ガラス繊維強化 PPS やガラス繊維およびミネラル強化 PPS コンパウンドは、放射線への曝露による分解に対して同様の耐性を示すと予測されます。

放射線曝露がライトン® PPS コンパウンドに及ぼす影響

ガンマ線照射

ライトン® PPS コンパウンドの
曝露条件
引張り
強さ保持率
曲げ
強さ保持率
曲げ弾性率 
保持率
R-4      
5 x 108 rads(30℃) - 103% 95%
1 x 109 rads(30℃) - 105% 97%
5 x 109 rads(30℃) - 99% 96%
3 x 108 rads(50~55℃) 100% 93% 102%
R-10 5002C      
3 x 108 rads(50~55℃) 97% 99% 103%
R-10 7006A      
3 x 108 rads(50~55℃) 102% 99% 101%

 

中性子線照射

ライトン® PPS コンパウンドの
曝露条件
引張り
強さ保持率
曲げ 
強さ保持率
曲げ弾性率 
保持率
R-4      
5 x 108 rads(30℃) - 101% 100%
1 x 109 rads(30℃) - 101% 99%
4 x 108 rads(50~55℃) 90% 86% 102%
R-10 5002C      
4 x 108 rads(50~55℃) 84% 94% 100%
R-10 7006A      
4 x 108 rads(50~55 ℃) 87% 95% 97%

 

熱老化

ライトン® PPS コンパウンドおよびライトン® PPS 合金コンパウンドは、高温での熱酸化劣化に対して高い耐性を示します。

ライトン® PPS コンパウンドは、長期的な高温への曝露中での熱酸化劣化に対して比類なき耐性を示します。ライトン® PPS 合金コンパウンドも、この点で優れた性能を示します。下表のデータは、さまざまな温度における空気中での熱劣化後に ライトン® PPSコンパウンドおよび ライトン® PPS 合金コンパウンドの特性保持が優れていることを示します。これらの研究では、試験片を強制ドラフトオーブン内で老化し、定期的に取り出して引張り強さ、弾性率(引張りまたは曲げ)、および衝撃強さ(ノッチなし izod またはノッチなしシャルピー衝撃試験)を試験しました。アンダーライターズラボラトリーズ(UL)も、その部品承認プログラムで ライトン® PPS コンパウンドの長期耐熱性調査の文書を管理しており、ほぼすべての ライトン® PPS コンパウンドについて、200~240℃温度定格(RTI)を確認しています(UL のイエローカード情報リスト(Yellow Card Listings)を参照)。

熱老化が ライトン® PPS コンパウンドおよび ライトン® PPS 合金コンパウンドに及ぼす影響

熱老化(150℃)

ライトン® PPS コンパウンド
時間、(150℃)
引張り
強さ保持率
曲げ
強さ保持率
衝撃
強さ保持率
XE5030BL      
500 時間 79% 96% 97%
3000 時間 100% 101% 93%
5000 時間 101% 101% 92%
XE4050BL      
500 時間 86% 100% 104%
3000 時間 105% 103% 98%
5000 時間 99% 102% 85%

熱老化(165℃)

ライトン® PPS コンパウンド
時間、(165℃)
引張り
強さ保持率
曲げ
強さ保持率
衝撃
強さ保持率
R-4-200BL      
500 時間 100% 99% 94%
1000 時間 96% 98% 77%
2000 時間 97% 100% 82%
BR111BL      
500 時間 105% 99% 91%
1000 時間 102% 101% 99%
2000 時間 99% 95% 86%
XK2340      
500 時間 84% 104% 52%
1000 時間 82% 108% 49%
2000 時間 76% 106% 43%

熱老化(200℃)

ライトン® PPS コンパウンド
時間、(200℃)
引張り
強さ保持率
曲げ
強さ保持率
衝撃
強さ保持率
R-4-200BL      
500 時間 85% 104% 67%
1000 時間 81% 107% 66%
2000 時間 74% 104% 56%
R-4-200NA      
2000 時間 76% 105% 54%
XK2340      
2000 時間 46% 110% 21%
XE5030BL      
2000 時間 77% 112% 39%
XE4050BL      
2000 時間 81% 119% 37%

熱老化(220℃)

ライトン® PPS コンパウンド
時間、(220℃)
引張り
強さ保持率
曲げ
強さ保持率
衝撃
強さ保持率
R-4-200BL      
500 時間 80% 107% -
1000 時間 79% 107% -
3000 時間 72% 94% -
R-4-220BL      
500 時間 82% 109% -
1000 時間 77% 98% -
3000 時間 76% 97% -
XE5030BL      
500 時間 82% 103% 45%
1000 時間 82% 106% 43%
2000 時間 80% 108% 40%
3000 時間 77% 109% 37%
XE4050BL      
500 時間 88% 105% 46%
1000 時間 89% 108% 46%
2000 時間 89% 113% 41%
3000 時間 87% 114% 46%

熱老化(240℃) 

ライトン® PPS コンパウンド
時間、(240℃)
引張り
強さ保持率
曲げ
強さ保持率
衝撃
強さ保持率
R-4-200BL      
504 時間 75% 113% 58%
1002 時間 75% 114% 51%
2112 時間 69% 122% 51%
2994 時間 65% 125% 41%
BR111      
504 時間 89% 103% 57%
1002 時間 85% 100% 52%
2112 時間 83% 110% 53%
2994 時間 78% 114% 48%
紫外線抑制剤および耐候性

紫外光および耐候性試験の曝露では、表面にある程度の分解および腐食が発生することはありますが、ライトン® PPSの機械特性はさほど影響を受けません。

UV光の曝露では、ライトン® PPSの表面にある程度の分解および侵食が発生することはありますが、バルク材料の特性は一般的に、そのような曝露の影響をさほど受けません。下表にまとめた調査では、Atlas社の耐候試験機を使用して ライトン® R-4 PPS(紫外線抑制剤を含まない)、および紫外線抑制剤として2%のカーボンブラックを含む ライトン® R-4 PPSを老化させたところ、特性の低下は最小でした。多くのライトン® PPS コンパウンドは、UL746Cに従った 紫外光への曝露、水への曝露、および水への浸漬に関して、屋外使用に適すると評価されています(ULのイエローカード情報のリスト(Yellow Card Listings)を参照)。ただし、紫外線への曝露および風化作用により、時間と共に表面材料にある程度の変色や摩滅が発生することがあり、部品の表面外観が長期的に不変で

ウェザオメーターによる耐候性試験が ライトン® PPS コンパウンドに及ぼす影響

ライトン® PPSコンパウンド
曝露時間
引張り
強さ
kpsi
引張り
伸び率
表面の
侵食
mm
R-4      
0 16.7 1.1%  
2000 15.3 1.2%  
6000 15.5 1.4%  
8000 14.4 1.2%  
10000 10.6 0.6% 0.33
R-4、2% カーボンブラック含有      
0 17.4 1.2%  
2000 17.3 1.1%  
6000 17.3 0.9%  
8000 16.8 1.0% 0.05