熱安定性、寸法安定性、耐薬品性、および自己難燃性

ライトン® PPS(ポリフェニレンスルフィド)コンパウンドは、独特な特性の組み合わせと、他のエンジニアリング熱可塑性プラスチックをはるかに凌ぐコスト/性能のバランスを備えています。

  • 熱安定性:長期耐熱性(200℃まで)、および短期耐熱性(260℃まで)の卓越した組み合わせ
  • 寸法安定性:複雑な成形品でも非常に小さい寸法公差で成形可能であり、高温時や化学的に過酷な環境でも寸法安定性が維持されます。
  • 耐薬品性:高温でもさまざまな溶剤や腐食性薬品への耐性があります。
  • 自己難燃性:ライトン® PPS コンパウンドはすべて、難燃剤を添加することなく UL94 V-0 の難燃性を有します。

 

PPS とは

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ポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS)は、パラ置換パターンで交互に存在する硫黄原子とフェニレン環で構成されているポリマーです。分子構造の化学結合の安定性が非常に高いことにより、熱劣化や化学反応に対して傑出した分子安定性が得られます。この分子構造は、熱的安定性が非常に高い結晶格子に容易に詰めることができるので、PPS は結晶融点が高い(約 285℃)半結晶性ポリマーです。PPS はその分子構造により、燃焼中に炭化する傾向もあり、自己難燃性が高くなっています。約 200℃未満で、PPS を溶解する溶剤は見つかっていません。


ガラスファイバーやその他の充填材と PPS を混合すると、次のような特性を独特な組み合わせで持つエンジニアリング熱可塑性プラスチックを製造できます。

  • 傑出した長期および短期の熱安定性
  • 比類なき高弾性率および耐クリープ性
  • 多様な高活性化学薬品の環境に対する卓越した耐薬品性
  • 寸法公差が小さく、再現性の高い精密成形
  • 難燃剤の添加なしでの自己難燃性
  • 多様な条件下での誘電特性および絶縁性